キーノートパネル:日本のM&Aアップデート:混乱の中での舵取り
Dealogicによると日本の2022年の案件数は2008年以来の高水準となる3,380件を記録し、M&A市場は明るい見通しが続きます。地政学的な緊張、貿易摩擦、金利上昇、インフレ圧力にもかかわらず、海外の買い手は合理的な企業価値評価と有利な為替レートの恩恵を受け、また大手コングロマリットがノンコア事業を売却することで今後も案件の機会があると見られます。しかしアウトバウンド取引に関しては、日本企業は今のところ積極的な動きを控えています。このセッションでは専門家によるパネルが以下のトピックについて議論します。
- 今後12カ月の日本のM&Aを牽引する投資テーマや経済動向は?
- 国内M&A:ポストコロナにおいても日本企業同士のディールは続くのか?
- アウトバウンドM&A:日本企業が対象とする地域と企業とは?
- インバウンドM&A:予想されるM&Aアクティビティ数と日本に有利な要因は何か?
ネットワーキング・ブレイク
規制の状況:日本のESGとコーポレートガバナンスの今後
日本では近年上場企業に対するサステナビリティやコーポレートガバナンスの開示要件が変更され、持続可能なトランスフォーメーションの実現を長期的な投資と捉えてM&Aを活用する企業が増えています。また改めて人的資本と多様性を強化することはファイナンシャルバイヤーと事業会社の双方の意思決定に影響を与えています。本セッションでは規制当局、投資家、アドバイザーによるパネルが新しい規制の影響と、企業はどのような対応ができるか議論します。
- 特にESG評価・データ要件に関して、買い手企業が注意すべき最新の規制は何か?
- ESGに関する新たな政策の確認と、それらは透明性の向上とグリーンウォッシング防止に効果があるか?
- 中長期的なサステナビリティへの取り組みと経営方針や戦略が一致するために投資家はどうすべきか?
- 日本は人的資本と多様性の課題にどう取り組み、人材流出を食い止めることができるか?
クロスボーダーディール:投資機会の探求
日本企業によるクロスボーダーM&A案件は積極的に行われており、同時に海外プレーヤーの日本市場への強い関心も継続しています。またインバウンド戦略とアウトバウンド戦略ではどちらも共通して、将来の持続的成長に向けたグローバルレベルのビジネスモデルの構築と現在の経済情勢の中で価値を提供できる市場へ参加することが目標とされています。本セッションでは経験豊富な投資家とディールメーカーによるパネルがクロスボーダーディールを動かすドライビングフォースについて、日本市場のホットスポットを含めて議論します。
- 海外のディールメーカーにとって最も魅力的なセクターとは?
- 買収案件が非常に多い中でクロスボーダーディールを実行する際のチャレンジは何か?
- M&A実行に向けて企業はどのように国際的パートナーとの関係を構築しているか?
- 企業はどのように国内外の事業統合とグローバルな経営システム・体制を構築しているか?
ネットワーキング・ランチ
テクノロジーM&A:デジタル価値の最大化
あらゆる規模や分野の企業が競争力維持のためにデジタルトランスフォーメーション(DX)に着手している中で、2023年も日本ではDXがM&Aのテーマとなっています。デジタル化とeコマースのペースが加速した過去 3 年間を受けて、金融サービスからヘルスケアセクターに至る様々な日本企業はビジネスの変革、イノベーション、サステナビリティの向上とグリーンアウトカムの実現を支援するためのテクノロジーM&Aを模索し続けています。本セッションでは業界の専門家パネルがこのセクターのディールメイキングと、企業が国内外でテクノロジーM&Aを追求することでどう自らの地位を守ることができるか議論します。
- 日本のトップ企業はどのような戦略で技術革新に投資しているか?
- 日本企業は気候テック、ヘルステック、フィンテックのどのサブセクターに注目しているか?
- スタートアップと協力する場合や海外のテック企業に投資する場合の課題は何か?
- DXは企業のサステナビリティパフォーマンスを向上させ、炭素削減目標を達成する上でどのように役立つか?
- 電気自動車への移行が加速する中で、日本はどのように自動車産業を再構築できるのか?
ネットワーキング・ブレイク
プライベート・エクイティ:M&A市場での重要性の高まり
Dealogicのデータでは昨年の日本のプライベート・エクイティディールは96案件、総額は259億USドルを記録し、件数・金額ともに2021年の水準より増加しました。こうした活発な動きを受け、企業のカーブアウトやノンコア事業の売却などによる大型案件の機会を求めて日本にオフィスを構える国際的なPEファンドは増加しています。さらに有利な金融政策、低金利、円安のすべてがディールメーカーの追い風になっています。このセッションではリーディングGPが市場における投資機会と課題について議論します。
- 2022年にGPとそのアドバイザーを悩ませた問題は何か?それらは継続するか、それとも新たな課題が現れるのか?
- 日本のGPはどのセクター、都市、案件規模に注目してきたか?
- 他のアジア市場の再開によって、今後日本以外に焦点が向けられるのか?
- 日本企業はLBOでどのような調達手段を利用できるか?
閉会
懇親会
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