Agenda
開場、受付開始
世界の展望:動き出す時
プライベート・エクイティは板挟みの状況にあります。イグジットの鈍化が資金調達環境を厳しくしている一方で、資金配分はむらがあり、ドライパウダーは記録的な水準となっています。マネージャーはこうした状況に適応するために新たな資金源を特定し、取引のレジリエンスを確保し、差別化した価値創造戦略を確立し、イグジットについてより思慮深く目標を定めなければなりません。このセッションでは国内外の障害を乗り越える方法について議論します。
- 2024年の市場環境は2023年とどの程度違うのか
- 世界的に最も魅力的な投資機会が集まっているのはどこか
- 他社と一線を画すマネージャーの特徴は何か
- 流動性を創出するためのクリエイティブなアプローチは資金調達の弾みとなるか
ネットワーキング休憩
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日本のアップデート:今が好機
昨年日本はこれまでの業界の傾向を覆し、アジアの主要市場の中で唯一資金調達額とイグジットが前年比増となり、投資額は過去最高を記録しました。政策による支援、有益な規制改革、円安、ディールフローを促進する主要な構造的要因のすべてが投資先として日本に有利に働いています。そのためグローバルなGPやLPがはアジアの先進国市場の日本を優先し、より多くの資金が集まっています。このセッションではパネリストが現在の状況がどれほど続くのか検討します。
- 今後はより厳しい経済状況が市場を抑制するのか
- LPにとって他の国・地域と比較して日本の魅力は何か
- ファンドの規模が機会に対して大きくなりすぎるリスクはあるか
- マネージャーはどのように価値創造能力を発展させているか
ミドルマーケット:中心的位置に
10年前、日本の年間のプライベート・エクイティ・バイアウトは約50件でしたが、2016年には80件を超え、2022年には120件となりました。5億USドル超規模の案件数は倍に増えましたが、依然としてミドルマーケットが最多となっています。事業承継と企業分割が合わさった案件が堅調なリターンをもたらし、大企業が断続的に規模を縮小していることから競争は激化しています。このセッションではミドルマーケットの専門家が状況を解説します。
- 日本のミドルマーケットは最高のコストパフォーマンスを提供するか
- マネージャーはディール・ソーシングと人材育成の問題をどのように強化しているか
- スポンサー間取引は市場の重要な部分を占めるようになってきているか
- 日本の産業が成熟するにつれ、スピンアウトを扱うGPは増えるか
ランチ休憩
バイアウト:ディールフローの多様化?
株式非公開化取引は、事業承継取引やカーブアウトと並んで日本の重要な(そして持続可能な)ディールフローのソースとなるのでしょうか?規制当局が簿価を下回る取引の場合、企業に戦略的オプションの検討を求めている中、上場廃止についてプライベート・エクイティと協議を開始する経営陣が増えています。このような動きは日本でバイアウトが徐々に受け入れられていることを裏付けていますが、GPはプロセスの管理方法や価値創造テーマを伝える際に引き続き注意が必要です。
- 官民間のプロセスにおける主なリスク要因は
- 日本のレバレッジド・ファイナンス市場はどのように進化しているか
- 競争の激化から持続しない高すぎるバリュエーションが生まれているのか
- GPはこれまで以上に大型かつ複雑化するカーブアウトにどのように対処しているか
LPの視点:アルファの源泉を見極める
ポートフォリオの成熟度、戦略目標、分母効果、USドル建て予算に対する円安の影響など、これらの要因は全て現在の市場環境において国内機関投資家がどのようにオルタナティブ投資へアプローチするかに影響を与えます。適切なバランスを見つけるのは至難の業です。不確実性が増す中で期待以上のパフォーマンスを達成するには、複数のアセットクラスにわたってある程度の日和見的見方が必要、とする考えによって、ディフェンシブな分散型ポートフォリオに対する自然なバイアスに変化があるかもしれません。本セッションでは経験豊富なLPが資産配分のアプローチについて議論します。
- 分配金の削減は配分決定にどのような影響を与えるか
- セカンダリー投資と共同投資はポートフォリオでどのような役割を果たしているか
- どの地域が最も高いリターンを生み出す可能性があるか
- LPはどのように為替ヘッジに取り組んでいるか
日本のベンチャーキャピタル:Hello world
日本のベンチャーキャピタルに対する熱意は政府のスタートアップ育成計画にも表れており、2027年までの5年間で10万社のスタートアップと100社のユニコーンを創出するために投資額を10倍に増やすことが目標とされています。さらなる国際化の推進と並行して、海外VCには国内VC、スタートアップとの連携強化を目的としてインセンティブが与えられ、国内スタートアップはグローバルな足跡を築くために迅速に動いています。このセッションでは国内外の投資家が未来について語ります。
- スタートアップには追加の支援が必要か、必要な場合はどのような形で支援すべきか
- インセンティブとは別に、グローバルVCが日本に投資したい理由は何か
- 日本の技術分野の中で、最もグローバル展開に適した分野はどこか
- 投資家にとって最も可能性の高い出口戦略は何か
ネットワーキングドリンク
Agenda
2024年日本のプライベートエクイティ市場 ”この成長は以前のブームと異なるのか?”
2023年に日本はアジア太平洋地域における最大のプライベートエクイティ市場となり、同地域における取引額の30%を占めるに至りました。(昨年以前のシェアは5~10%程度)取引額は過去最高の約5.9兆円に達し、高水準を記録した2021年、2022年の2倍近くの水準に達しました。金融危機以前の日本における第一次プライベートエクイティブームを彷彿とさせるこの力強い成長は同時に、”この成長は以前のブームと異なるのか?”、という疑問を投げかけます。Bainのレポートでは、市場の成長余地や成長の勢い、そして今後数年で直面しうる課題をご紹介します。昨年、コーポレートガバナンス改善に向けた動きは、TSE(東京証券取引所)がPBRと資本効率に焦点を当てたことで更なる追い風を得ました。M&Aコードの更新により、unsolicited bids(一方的買収提案)が可能となり、入札プロセスにおける「市場チェック」が強化されました。これにより、PEが企業M&A取引プロセスへ参入しやすくなりました。中国への関心が低下する中、日本に対する投資が増加しています。これを機にファンド規模を拡大しようとする投資家が考慮すべき点が複数あります。今後投資対象先が限定されるため、より規模の大きい取引を求めるには、今までとは異なる競争環境での投資が求められることになります。また、日本のプライベート・エクイティ市場の成功に魅せられ、新規参入する投資家は、成功に真に必要とされることを念頭に置く必要があります。全ての投資家に対し、競争環境の変化は、より一層企業価値向上に対する積極的なアプローチを求めています。
アジアへのスポットライト:注目度の再燃
2023年のアジアのプライベート・エクイティは資金調達、投資、イグジットが大幅に減少し、厳しい1年となりました。伝統的にアジア最大の市場だった中国は地政学や経済見通しの悪化が懸念され、多くの投資家にとって魅力的でなく、投資対象外と捉えられています。しかし悪いニュースばかりではありません。投資先の多様化を図るうえで急成長している候補地として東南アジアが浮上しており、インド市場の成長とその規模は中国に匹敵すると見られています。投資家にとって分配金の実現損益倍率(DPI)は特に重要な指標であり、セカンダリー投資や継続ファンド、その他の投資形態にかかわらず、GPやLPは分配金を生み出すための臨機応変な対応を必要とされています。このセッションではリスク・リターンバランスのベストポイントはどこか、地域ファンドやカントリーファンドへのアクセス方法は何かについて、パネリストが議論します。
- 他の地域に遅れをとっているアジアのパフォーマンスをどのように評価するか
- アジアの長期的な成長ストーリーにアクセスする最善の方法は
- なぜアジアにはセクター専門GPが少ないのか
- 中国に逆張りすべき時か
プライベート・クレジット:一般的な手段に
プライベート・クレジットは今では必要不可欠な資産クラスとなりました。投資家はトレンドとして続いている伝統的な銀行からの借入以外から融資を活用できるだけでなく、高金利の環境では取引過程でより多くの報酬を得ることができます。リスクとリターンのダイナミクスからLPには多くの選択肢がありますが、マクロ環境が悪化した場合にGPにポジションを管理する能力があるかは疑問が残ります。このセッションでは経験豊富なクレジット投資家が投資機会について考察します。
- マクロトレンドはどのように投資機会を形成しているか
- 現在、最良のリスク・リターンを提供しているプライベート・クレジット戦略は何か
- 借り手のデフォルトが増加した場合はどうなるか
- 日本のLPは伝統的にどのクレジット・スペクトラムを好むのか
アクティビスト投資家:破壊的影響力
日本では近年、国内企業の資本効率改善と取締役会の多様性を促す政府政策が相まってアクティビスト投資家によるキャンペーンが急増しています。また著名な国際的投資家の日本市場への注目も高まっています。アクティビストはダイベストメントを促進する可能性がある一方で、価格上昇を誘導することで非公開化プロセスを妨害する可能性もあり、プライベート・エクイティにとってはプラスの面もマイナスの面もあります。このセッションではマーケットの専門家がアクティビストの影響を評価します。
- ガバナンスと規制のプレッシャーは、どのような形でアクティビストの活動を推進しているのか
- プライベート・エクイティは、投資家アクティビズムをどのように活用できるか
- 最近のキャンペーンの成功例と失敗例から何が学べるか
- アクティビスト投資家の日本へのアプローチは他の市場とは異なるのか
世界のLPのスポットライト: 次は日本へ
アジア全域のマネージャーが市場復帰に慎重になっている一方で、日本の多くの資金調達は応募超過で調達目標を上回っています。LPはファンドの規模が過去のビンテージ・イヤーより大きくなっているにもかかわらず、資金の削減や敬遠を経験しています。これは日本へのエクスポージャーを求める海外投資家にとって単にアクセスの問題ではなく、市場のスイートスポットに適したパートナーを見つけることに直結します。このセッションではLPが困難な状況でも注目の地域でどのように投資を実行しているか解説します。
- 日本はどの程度中国からの投資先の転換の恩恵を受けているのか
- 日本のプライベート・エクイティ・ファームは急速に大きくなりすぎているのか
- LPの共同投資を促進するためにもっとできることはあるか
- 日本のリターンは世界的に、またアジア内でどのように評価されているか
ランチ休憩
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